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被殻出血ってどうなる?

こんにちは!こんばんは!整体院彩葉院長の前田です!今日は以前少しお話した、脳卒中の病態についての延長線です。

今回の「被殻出血」は脳出血で起こる損傷部位でも1位2位を争う部位となっています。この「被殻」という部分が損傷されることで日常生活でどんな症状として現れるのか?を少しお話していきたいと思います。

「被殻出血」を患った患者様や家族様にも少しでも病態を知っていただければなと思います。

「被殻」は出血に限らず、脳梗塞でも、もちろん損傷されます。梗塞の診断名だと「中大脳動脈の梗塞」と記されることがあります。

被殻は「大脳基底核」と呼ばれる脳の真ん中あたりにある脳の核の構成部分の一部です。

そのため被殻のみの損傷であれば、それほど大きな後遺症にはなることが少ないのですが、被殻以外の構成部分(淡蒼球外節・内節、尾状核、視床下核)も含めて損傷されることでより重度な後遺症になることがほとんどです。

そのため重要なのは、診断として「被殻出血」ですと伝えられても、他の基底核構成の部位もどのくらい損傷を受けているのかなどもしっかり把握しておく必要性があります。

この「大脳基底核」はこれら5つを連携させることで、システムを作っています。

その「大脳基底核」の役割をひと言で表すと…

では一体何を抑制しているのか?これがすごく大切になっています。大きく分けると4つのシステムを抑制しています。

  1. 運動の抑制(運動ループ)
  2. 感情の抑制(辺縁系ループ)
  3. 判断の抑制(認知ループ)
  4. 眼球運動の抑制(眼球運動ループ)

この4つになります。では1つずつ解説していきたいと思います。

運動は「筋肉を動かし関節」を動かすことを表します。

この運動を抑制するという意味は、運動を止めさせるというニュアンスももちろんありますが、正確に言うと「運動を発現する・止める」の2つの意味があります。

つまり行おうする動作に対して、「動かす筋肉、動かさない筋肉の選択を行うこと」で動作を遂行させようとする役割があります。

他にもこの運動抑制の機能は「筋肉の張り」も調整しているため、損傷部位が広いと筋肉の張りが作れずに手足に力が入らないという「麻痺」のような症状も出現してしまいます。

そのため「被殻出血」の方で中々力が入らなかったり、損傷部位の範囲によっては全く力が入らない、動くけど何かぎこちないといった、日常生活の支障が出現される方が多いです。

続いて感情の抑制ですが、これは元々の性格が反映される傾向が強いです。

感情とは「嬉しい、悲しい、イライラ、楽しい」など様々な感情表現が人間にはありますが、本来大人につれて社会性が強くなると上記の感情表現を感じたとしても、場や人に応じて、その感情を表に出したり、出すのを「我慢」することが多いと思います。

要はこの「我慢」がしにくくなってしまいます。言葉を悪く伝えるとワガママっぽく見えやすくなってしまいます。

例えば怒りっぽくなったり、泣きやすくなったり、楽しいと思ったことを止めにくくなったりなど、少し子供っぽさのような感情コントロールになってしまうと言うことです。そのためリハビリスタッフや病院スタッフに対しても、人によっての接し方が極端に見えるときもあります。「好きな人にはこの人」「嫌いと思った人には拒否」など見られる傾向もあります。

続いて判断の抑制です。判断の抑制とは、簡単に言うと意思決定までの時間がかなり短くなってしまいやすくなってしまいます。

そのため「注意障害」と見られることや「せっかち」など危なっかしい行動が見られる場面が見られることが多いです。

例えば病院で言うと、車いすからベッドに戻る際などに、ブレーキをかけ忘れたまま立ち上がるなど、ベッドサイドで「立たないで」と言われてても立ってしまう、起き上がる際に麻痺側の手を持たずに起き上がってしまう、ベッドに移る際にベッドにほこりや紙くずを見つけた際には移乗中に限らず、払いのけようとするなどの場面が多いです。

表現としては難しいですが、「え?今これする?」といった症状が出てきやすい傾向が高いです。

最後に眼球運動の抑制は、読んで字のごとく「目の動きを抑制」ということですね。

ただし、目の動きといっても普段行っているような目の追尾などではなく、「サッケード」と呼ばれる急速な眼球運動の動きを抑制しています。

例えば日常でも、大きな物音や声がした際、人が目の前を通った際に見てしまう事ってありますよね?

このような現象は誰しもが起こり得てしまうのですが、上記のような現象が起こった際に例えば物すごく集中しないといけない状況や、人としっかり話していけない状態のときは、そこまで物音や周りの周囲に目を配ることは少ないと思います。

ところがこの「眼球運動の抑制」が難しくなってしまうと、何かをしていててもキョロキョロと周りを見てしまいやすくなり、「この人集中力ないな」などと思われやすくなってしまいます。

いかがだったでしょうか?端的にはなってしまいましたが、上記の症状は「被殻」の機能から考えてみても、多くの「被殻」損傷の方で出現する症状と思っています。

「被殻出血」のポイントとしては、まず上記のような症状が出現する可能性はたかいのですが、被殻以外の大脳基底核の構成要素がどのくらい損傷を受けているのかでかなり症状の重さは変わってきます。

また「被殻」の近くには「視床」や「内包」といった脳細胞もあり、ここまで損傷範囲が大きいと感覚障害や運動麻痺も重篤になる傾向が強いです。

当院では脳画像などをお持ちの方は、どういった症状が出現するのかも本人様、家族様も含めて説明は致しております。また今の現状をどのように改善していくかも、脳画像と本人の今の現状能力も評価させて頂いた上でしっかり、その方にあったオーダーメイドのリハビリを提供させて頂いています。

気軽にご相談、もっと改善したいと思われる方は是非一度、ご連絡頂ければと思います。

Lineからも連絡可能です  https://lin.ee/fl5hdUD


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